業界団体JADRIが一括査定サービスを開始——業界の内側から、健全化に動く

一般社団法人日本自動車流通研究所(JADRI)は2026年8月、会員企業による一括査定サービスを開始した。業界団体が自らサービスを運営するのは異例の取り組みで、従来の一括査定が抱えてきた透明性の課題を事業者自身が解決しようという試みだ。

代表理事の江頭大介氏に、立ち上げの背景を聞いた。

目次

お話を伺った方

江頭 大介(えがしら・だいすけ)氏
一般社団法人日本自動車流通研究所(JADRI)代表理事
カレント自動車株式会社 代表取締役社長

厳正な審査を通過した会員企業のみ参加——「鳴り止まない電話」と不透明な入札に一石を投じる

出典:JADRI

新サービス「JADRI一括査定」は、JADRIの審査を通過した会員企業のみが参加する一括査定プラットフォームだ。 取材時の参画企業はネクステージ・IDOM(ガリバー)・カレント自動車の3社。入札制ではなく、従来型の直接査定方式を採用している。

既存の一括査定が抱える問題点について、江頭氏はこう指摘する。

代表 江頭氏

従来型の一括査定では電話が鳴りやまなかったり、入札制の査定でもさまざまなトラブルが発生したりと、課題があります。そこに対してJADRIのフィルターを通し、健全な事業者だけが対応できるようにしたいと考えています

「メディアに頼り切りではなく、事業者自身が主体となること」

業界団体が自らサービスを運営することは、これまで例が少なかった。江頭氏は、その意義をこう語る。

代表 江頭氏

 JADRIは実際の流通事業者が集まっている団体ですので、自分たちが取り組むことによって、メディアに頼り切りになるのではなく、事業者自身が主体となり、自分たちの手で運営することに意味があると考えています。
最初はスモールスタートになりますが、なるべく多くのJADRI会員に参加してもらい、自分たちで大きくしていきたいと思っています

立ち上げ時点では広報活動はほぼ行っておらず、理事たちによるいわば手弁当の運営という。それでも今始める必要があるという課題意識が、現時点でのサービス開始につながっている。

「審査を通過した事業者しかいない」安心感

一括査定の画面ではユーザーファーストの安心宣言が示されていた

申し込んだユーザーに連絡してくるのは、JADRIの審査を通過した会員企業のみだ。通常の一括査定サービスでは、最終的にどこの事業者が買取に来るのかが見えにくく、入札によって見知らぬ業者が決まることも珍しくない。「誰が来るのか」に対する保証がない構造は、ユーザーの不安として解消されにくい部分といえる。

JADRI一括査定では、JADRIの厳正な審査を通過した会員企業のみが参加できる仕組みのため、この点が担保されている。現在の参画企業数は3社と少ないが、しつこい電話勧誘や不適切な高額入札が起きないよう、健全な事業者主体でこれから規模を拡大していく方針だ。

業界健全化の取り組みが続く——ロープレ大会も主催

JADRIは2026年9月、全国の中古車販売・買取会社の担当者が商談を実演する「U-CAR MASTERS CUP」を主催した。審査の軸を「お客様に不利益な情報もしっかり伝えているか」に置くなど、透明性と信頼を業界の共通基準にしていこうとする姿勢が大会全体に貫かれていた。

今回の一括査定サービス開始は、こうした業界健全化への取り組みの一環とみることができる。「事業者自身が課題に向き合い、自らの手でサービスを整える」という姿勢は、ロープレ大会の主催と方向性を同じくしている。

JADRIの一括査定サイトはこちら

※この記事は2026年10月時点の情報で制作しています

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