車を売りたい人のための基礎ガイド|買取・下取り・個人売買の違いとおすすめの方法

車を手放すとき、「できるだけ高く売りたい」「手間なく行いたい」と思うのは当然のこと。でも、「そもそも車を売る方法ってどんなものがあるの?」「買取と下取りとの違いがよく分からない」など、初めての人には分からないことも多いものです。
この記事では、車を売る際の基本を徹底的に解説します。
読み終わる頃には、あなたの愛車を少しでも高く、納得して手放すための判断材料がしっかり手に入るはずです。

車を売るということ。その方法と、売却できないケースとは?
まずは、車を売る際の基本を押さえておきましょう。
車を売る方法、その種類
車を売る方法には、いくつかの選択肢があります。車の「買取」という言葉は、基本的に買取業者に売ることを指して使われます。買取業者は買った車を自社の中古車店や海外に再販したり、解体してパーツとして販売したりといった独自の販路を持っています。
一方「下取り」は、車を新しく購入することを前提に、現在所有している車を引き取ってもらい、その分の金額を新車購入価格から差し引いてもらう方法です。販売店によっては、買取と下取りの両方に対応しているケースもあります。
また近年では、フリマアプリやネットオークションを活用した個人売買(個人間売買)を検討する人も増えています。
車を売れる人売れない人
車の所有者であれば基本的に車を売却できますが、状況によっては手続きが複雑になる場合があります。もし、その状況の人が個人売買をすると、トラブルのもとになることがありますので、注意が必要です。
売却に制限があるケース
以下のようなケースでは、売却に制限が生じることがあります:
- ローンが完済されていない場合
この場合、車の所有者がローン会社名義となっていることがあり、金融機関との調整が必要です。対応可能な業者もありますが、断られるケースも少なくありません。 - 不動車や事故車の場合
車が動かない、もしくは事故や冠水などの損傷があると、一部の業者では買取や下取りを断られることがあります。ただし、中には最低価格を保証している買取業者も存在します。 - 自動車税が未納の場合
売却時には自動車税の納税証明書が求められます。買取額を充てて納税手続きを代行してくれる業者もありますが、自分で対応しなければならない業者もあります。
「車買取」「下取り」「個人売買」の違い
ここでは、「買取」「下取り」「個人売買」「廃車処分」までを含めた車の売却方法について、それぞれの違いを一覧で比較しながら、選び方のポイントをわかりやすく解説します。
車を売る方法を一覧で比較|買取・下取り・個人売買・廃車の特徴と向いている人
それぞれの方法について、「価格への期待度」「手間のかかり具合」「向いている人のタイプ」といった観点から比較してみましょう。
売却方法 | 特徴 | おすすめのケース | 価格期待度 | 手間 |
---|---|---|---|---|
車買取 | ・業者が入るので安心 ・業者が対応してくれるので楽 ・複数業者で比較し高値がつきやすい | ・面倒くさい ・できれば高く売りたい ・車を手放したい ・現金がほしい | 高 | 少ない |
下取り | ・現金は手に入らない ・納車まで乗れる場合もある ・全ての対応が一括で済むので楽 | ・手間を減らしたい ・車がない期間があると困る | 中 | かなり少ない |
個人売買 | ・中間マージンがなくとにかく高値の可能性 ・トラブルリスクや契約の対応は自己負担 | ・車に詳しいので相場など把握できる ・個人間トラブルのリスクも受け入れられる ・事務作業などもできる | 最高 | 多い |
廃車処分 | ・不動車や事故車でも処分可能 | ・動かない車を処分したい | 低 | 少ない |
【買取がおすすめな人】少しでも楽に高く売りたい

「できるだけ安心して高く売りたい」「車を現金化したい」という人には、車買取が最適です。
買取専門業者は、中古車市場やオークション相場に精通しており、人気車種や装備の価値を細かく評価してくれます。
特に、海外に販路を持つ業者なら、個人売買で値がつかないような需要の少ない車や年式が古かったり走行距離が多い車でも高額査定になることもあります。
一方で、業者ごとの販路や査定基準によって、提示される価格には差が出ることもあります。そのため車買取では、複数の業者に査定を依頼することが理想的です。査定自体は無料の業者がほとんどで、出張査定にも対応している場合が多いため、気軽に比較してみるといいでしょう。
車買取ジャーナルが大手のサービスを実際に利用して比較したおすすめランキングがあります。
【下取りがおすすめな人】手間なく買い替えたい、時間優先の人

「手間をかけずに売却を済ませたい」「乗り換えをスムーズに進めたい」といった方には、下取りの利用が適しています。
下取りでは、車を購入する際に今の車をそのまま引き取ってもらえるため、移動手段が途切れることなく売却と購入を同時に進められるのが特徴です。
書類手続きも販売店が一括して対応してくれるため、スケジュール調整や複数業者とのやり取りに時間を割く必要がありません。
とにかく手間を最小限にしたい方にとって、下取りは有力な選択肢といえるでしょう。ただし、購入する販売店(特に新車ディーラーの場合)では、買取のような価格競争が起きにくく、査定額はやや控えめになる傾向があります。価格面よりも「楽さ」や「時間効率」を優先する方に向いている方法です。
【個人売買がおすすめな人】車に詳しく、自力でやり取りできる人

フリマアプリやネットオークションを活用して、自分で車を売却する「個人売買」もひとつの選択肢です。
最大の魅力は、中間マージンがかからないため、理論上もっとも高く売れる可能性がある点にあります。売却価格を自分で設定できる自由度の高さも、大きなメリットといえるでしょう。
ただし、その分リスクや手間も伴います。
たとえば、名義変更などの法的な手続きを自分で行う必要がありますし、相手との価格交渉や現車確認への対応も求められます。
さらに、代金の未払いや車両に関するトラブルが発生した場合でも、すべて自己責任で対処しなければなりません。こうした理由から、個人売買は車に詳しい方、時間に余裕がある方、一定のリスクを許容できる方に適した方法です。
少しでも不安がある場合は、買取業者の利用を検討するほうが安心といえるでしょう。
あなたに合った車の売却方法は?状況別おすすめの選び方
あなたにとって最適な売却方法は、「何を優先したいか」によって変わります。
優先したいこと | 向いている方法 |
---|---|
とにかく高く売りたい | 個人売買 |
手間なく買い替えたい | ディーラー下取り |
トラブルなく安心して売りたい | 車買取 |
また、以下のような判断軸も参考にしてください。

専門家コメント(中古車買取・販売店パティオ 代表・宮田さん)
「僕自身もこれまでの車は多くが個人売買ですが、やっぱり名義変更のやりとりや、万が一の不具合があったときの対応には気を遣います。補償とかないので、自分で直すしか無いですからね。でもマージンがなく購入できるから高く売れるし、買う方も安い。トラブルがあってもそういうものだよね、って思えるなら個人売買、そうじゃないなら買取が良いかと思います」
車買取を選ぶ場合のメリット・デメリット
買取の手間と査定価格のバランスがよい車買取ですが、事前に知っておきたい注意点もあります。
ここでは、実際に車買取を利用する際に感じやすいメリットと、気をつけるべきデメリットを改めて紹介します。
メリット:安心と高額が得られる可能性
- 下取りよりも高額査定が期待できる
ディーラーの下取りは新車購入が前提であり、査定も一律になりがちです。一方で、買取業者は再販や輸出を前提に市場価格を基準に査定し、何社かを比較することで競争原理が働きやすく、高額査定が出やすい傾向があります。 - 現金の使い道が自由
売却で得たお金を新しい車の頭金に充てても良いし、旅行や別の支払いに使うことも可能。使い道が自由なのは大きな魅力です。 - 専門的な目線での査定が受けられる
車の状態やオプション装備、カラーなども細かく評価されるため、愛車の価値を正当に見てもらえるチャンスが広がります。逆に、実は知らなかった価値により、思ったより高い金額がついたとなれば、個人売買よりも高額になることもあります。 - どんな状態の車でも必ず売れる
不動車や冠水車、事故車であっても、部品取りや輸出用としての需要があるため、対応している買取業者に依頼すれば価格がつくケースがほとんどです。こうした車両は個人売買では買い手がつきにくいため、買取業者を活用することでスムーズな処分が可能になります。
デメリット:多少の手間やリスクもある
- 査定額にバラつきがある
業者によって評価基準が異なるため、同じ車でも数万円〜数十万円の差が出ることもあります。少々手間ですが、何社か比較したり信頼できる業者を選ぶ選定の目が必要となります。 - 売却と購入のタイミングがズレる可能性
下取りとは異なり、売る・買うが別々の取引になるため、車がない期間が生まれる可能性もあります。代車の手配など、事前に段取りを整えておきましょう。
まとめ|あなたの愛車を最高額で売却する第一歩を踏み出そう
ここまで解説してきたように、車買取は下取りよりも高値がつく可能性を秘めていて、個人売買よりも安心できる方法です。
あなたが大切にしてきた愛車、トラブルもなく高い価値(価格)で引き取ってくもらうのがなによりです。妥協せず、納得の行く形を追求してください。
そのためにもさらにいくつか買取の知見はあってもいいかもしれません。
さっそく、買取業者を探すという方は
買取と一括査定の違いを知りたい方は
よくある質問(FAQ)
- 車の査定に費用はかかりますか?
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多くの車買取業者では、出張査定も含めて査定料は無料です。ただし、ごく一部の業者や特殊なケースでは費用が発生する可能性もあるため、念のため査定依頼時に確認しましょう。
- 車を売却した後、代金はいつもらえますか?
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稀に即日払いに対応する業者もありますが、通常は、車両と書類を引き渡してから数営業日~1週間程度で銀行口座に振り込まれます。
- ローンが残っている車でも売却できますか?
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ローンが残っていても売却可能ですが、手続きが必要になります。場合によっては断られるケースもありますので、査定前に伝えるのが良いでしょう。
- 買取と下取り、どちらが得?
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一般的には、複数の買取業者に査定してもらう方が高値がつきやすく、買取の方が金額的には有利です。一方で下取りは新車購入と同時に処理できる手軽さがあります。時間と手間をかけられる方には買取が、簡単に済ませたい方には下取りが向いています。
- 故障車や車検切れの車でも売れますか?
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状態に問題があっても、買取してくれる業者は多数存在します。故障車、不動車、水没車、車検切れの車でも、パーツや輸出目的で価値はあります。必ず金額はつくので、対応してくれる業者を探すことが重要です。
※この記事は2025年8月時点の情報で制作しています