ナビクル、新ブランドタグライン「一括査定は、愛車への愛だ。」を策定――車売却体験の再定義へ

車買取一括査定サイト「ナビクル」を運営する株式会社エイチームライフデザイン(愛知県名古屋市)は10月21日、新たなブランドタグライン『一括査定は、愛車への愛だ。』を策定したと発表した。
サービス開始から18年目を迎える同社は、単なる価格比較を超えて、車を手放す”最後の瞬間”に寄り添うパートナー的存在への成長を目指す。車買取市場での消費者体験の向上が求められる中、ブランドメッセージの刷新は業界の意識変化を示す動きといえる。

愛車との”別れ”に焦点を当てた新メッセージ

新タグラインには、査定価格の比較という機能的価値だけでなく、車とオーナーの関係性に寄り添う姿勢が込められている。同社は「クルマを『愛車』と呼ぶ文化が象徴するように、誰もがクルマに思い出や感謝の気持ちを抱いている」と説明し、手放すという行為を「これまでのカーライフを締めくくる大切な時間」と位置づけている。
ナビクルは2007年のサービス開始以来、累計540万人以上が利用する車買取一括査定サイトとして成長してきた。一度の入力で最大10社へ無料で査定を依頼できる仕組みを提供し、複数の査定見積もりを比較することで、手間をかけずに適正な買取価格を確認できる環境を整えている。
同社が2024年8~9月に実施した車買取および下取り額に関するアンケート調査(回答659件)によれば、複数社で査定を行ったユーザーでは、買取と下取りの金額差が平均26万円となった。これは、各買取会社が得意とする車種や市場が異なるためで、一括査定により「その車種に強みを持つ買取会社」と出会える可能性が高まることを示している。
車買取市場における顧客体験の課題
近年、中古車買取市場では消費者トラブルの増加が社会的課題として認識されている。国民生活センターへの中古車売却に関する相談は2021年度に1,519件を記録し、日本自動車購入協会(JPUC)の「車売却消費者相談室」への相談も2022年には過去最多の2,822件に達した。高額なキャンセル料請求や契約後の不当な減額といった事例が報告される中、業界全体で消費者が安心して取引できる環境整備が求められている。
こうした状況を受け、ナビクルは今年6月に利用規約を改定し、契約後の減額交渉の禁止や、車両引き渡し日の翌日までの無償キャンセル権の明記などを盛り込んだ。中古車買取業界の健全化を推進するJPUCの理事も務める同社は、市場全体の信頼性向上に向けた取り組みを進めてきた経緯がある。
ブランド再定義の背景にある市場変化
今回のタグライン策定は、こうした業界環境の変化と無関係ではないとみられる。車買取市場では、価格競争だけでなく、サービスの透明性や顧客との信頼関係が重視される傾向が強まっている。各社が差別化を図る中で、ナビクルは「愛車を最良の形で次のオーナーへ託す」という情緒的価値を前面に打ち出す戦略を選択した形だ。
一方で、「愛車への愛」という抽象的なメッセージが、具体的なサービス改善やユーザー体験の向上とどのように結びつくかは、今後の運用次第となる。ブランドイメージの刷新が、実際の取引における満足度向上につながるかどうかは、利用者の声や市場の反応を通じて検証されていくことになるだろう。
車買取一括査定市場では、複数の競合サービスが存在する中で、顧客体験の質が選択の決定要因となる可能性がある。今回の動きは、機能的価値だけでなく感情的なつながりを重視する方向性を示すものとして、業界内で注目される可能性がある。
この記事で紹介したサービス
サービス
| サービス名 | ナビクル | 
| タイプ | 比較型 | 
| 紹介業者数 | 10社 | 
| 仲介対応範囲 | 買取業者に一括申し込みまで | 
| 申込後キャンセル | 買取業者につながるだけなので可能 | 
| 対応地域 | 全国 | 
セールスポイント
- 申し込み直後に相場がわかるから判断しやすい
ナビクルでは、一括査定フォームを送信するとすぐに車の買取相場が画面上に表示されます。
この相場は東証スタンダード上場企業「システム・ロケーション社」の実績データに基づいており、客観的で信頼性のある価格情報として活用できます。 - 複数業者へ一括依頼でき、比較がしやすい
最大10社までの買取業者にまとめて査定依頼が可能。
少ない手間で複数の業者からの査定額を比較できるため、想定以上の高値で売却できる可能性があります。 - 自宅近くの優良店が見つかる
ナビクルは全国の車買取業者と提携しており、自宅周辺にある信頼性の高い買取業者とつながることが可能です。
さらに、JPUC(日本自動車購入協会)認定の店舗も多く参加しており、透明性のある取引が期待できます。 - 運営は上場企業、Webの安心設計にも配慮
ナビクルを運営するのは、東証プライム上場の「エイチームホールディングス」グループの一員である「株式会社エイチームライフデザイン」です。
さらに、JPUCによるWeb監修を受けた表記ガイドラインをもとに情報を提供しており、誤認を避けたわかりやすい設計になっています。 - 廃車や事故車でも査定OK、手数料も無料
レッカー代・解体費などの手数料が無料で、事故車や動かない車でも査定依頼が可能。
申し込み時のアンケートで「事故車・不動車」と伝えるだけでスムーズに依頼できます。 
企業情報
| 企業名 | 株式会社エイチームライフデザイン | 
| 設立 | 2013年8月22日 | 
| 事業内容 | 人生のイベントや日常生活に密着した比較サービス、情報提供に関する事業、IT・情報通信業 | 
| 所在地 | 愛知県名古屋市中村区名駅三丁目28番12号 大名古屋ビルヂング32F | 
| 代表者 | 代表取締役社長 間瀬 文雄 | 
