旧車に宿る価値を見抜くプロの流儀。旧車王トップバイヤーの目利き、心意気

10年を超えた車はすべて「旧車」――。一般的な中古車買取業者が敬遠しがちな古い車にこそ価値を見出し、専門性の高い買取サービスを展開するカレント自動車株式会社。
同社が運営する「旧車王」は、歴史的価値のあるクラシックカーから10年落ち以上の普通車、軽自動車まで、幅広い車を対象に、その真の価値を見極める査定力で支持を集めています。
古い車ほど個体差が大きく、リスクも高まる。そんな旧車買取の難しさに真正面から向き合い、二重査定を行わないという約束を守り抜く同社は、どのようにしてリスクを見極めるノウハウを蓄積し、専門性の高い組織を築いてきたのでしょうか。
買取バイヤーとして異例のスピードで頭角を現し、現在は買取ユニット サブユニットリーダーとして後進の育成にもあたる清水篤朗氏に話を聞きました。
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個体差が大きい旧車だからこそ、蓄積されたノウハウが強みになる
古い車は安い。それが中古車市場の常識です。しかし、クラシックカーや希少車の世界では、古さが逆に価値を生むこともあります。カレント自動車が「10年を超えた車」をすべて旧車として扱うのは、こうした価値の多様性を理解し、一台一台の個性を見極める専門性が必要だからにほかなりません。
旧車ならではの難しさについて、清水氏はこう語ります。
清水:旧車ならではの難しさで言うと、やはり新しい車に比べて、状態の判別や市場における価値、ニーズの見極めが非常に難しいところです。
個体ごとの状態や個別の事情を丁寧に整理して値付けをする必要がありますから、ただ市場の情報を頼りに買って流すだけでは成り立たない。そこが他社が入りにくく、同時にやりがいのある領域だと思っています。

清水 篤朗(しみず・あつろう)氏
カレント自動車株式会社 買取ユニット サブユニットリーダー
積水ハウス株式会社で注文住宅営業を3年間経験した後、カレント自動車株式会社に入社。車への深い愛情と、顧客の想いに寄り添う姿勢で異例のスピードでトップバイヤーへと上り詰める。入社1年目は買取営業、2年目は大阪事業所リーダー、その後5年間は買取ユニットリーダー兼部長としてマネジメントを担当。現在は買取ユニット サブユニットリーダーとして、後進の育成にも力を注ぐ。
清水:たとえば、新しい車であれば、状態の良し悪しはあっても、ある程度の価格帯に収まります。しかし、旧車は違うんですよね。同じ車種でも、メンテナンスの履歴、保管状態、オーナー様のこだわりによって、価値が何百万円も変わることがあります。
それが旧車の面白さであり、難しさでもあります。そこを正確に読み解いて、価格に反映できるというところが私たちのような旧車専門の強みだと思います。
そうした価値を当社が正確に見極められる理由を一言で言うと、「経験数」です。今まで本当に多種多様な車種を、わからないながらも挑戦して、買い続けてきた蓄積が大きい。ネットが発達した今でも、希少な旧車の情報はなかなか見つかりません。だからこそ、会社で蓄えてきた実績が一番の武器になるんです。失敗も数多くありましたが、その一つひとつが次の査定精度を高める糧になってきました。
また、旧車の価値は車そのものだけでなく、時代や文化によっても変動します。たとえばスープラやGT-Rが今高値で取引されているのは、『ワイルドスピード』などの映画の影響でアメリカ市場の需要が高まったからです。
そうした市場の動きにも日々アンテナを張ることが、旧車の価値を見定めるには欠かせません。
リスクを取ってでも攻めた価格を。二重査定なしの覚悟
旧車は個体差が大きく、見えないリスクも多い。メーター改ざん、修復歴、潜在的な不具合ーー。バイヤーがどれほど目を光らせても、すべてを見抜くことは困難です。
だからこそ多くの買取業者は、契約後に車体に問題が見つかれば査定額を減額する「二重査定」を当然のこととしてきました。
しかし、カレント自動車は違います。同社は「二重査定を行わない」と明言し、その約束を守り続けています。
さらに、2025年7月には、中古車業界に蔓延する不正と信頼崩壊に対して、異例とも言える声明を発表しました。
リスクが大きい旧車で、なぜそんな覚悟を持てるのか。その背景にある想いを清水氏に聞きました。
清水:二重査定をしないことは、正直、企業としてはリスクです。実際に想定外の不具合が見つかってマイナスが出ることもあります。ですが、当社代表の江頭がこの買取サービスを立ち上げた時から強く言っていたのは「プロがしっかりと現車を見て、責任を持って値段をつけて買い取っているのに、あとから理由をつけて減額するのは本来おかしい。中古車流通において見えない瑕疵は全て事業者の責任だ」ということでした。
車は3万点もの部品からなっていて、オーナー様でさえ把握しきれない状態があります。中古品の取引で見えない瑕疵を顧客に転嫁しているのは中古車業界だけです。当社は最初から『お客様に対して誠実であるべき』という思いを根本に置き、全てのリスクを織り込んで買取をすると決めています。マイナスを被ることもありますが、それが当社のスタンスです。
それでも攻めた価格を提示しなければならない場面は多いです。今はお客様もネットで情報を集め、何社も比較されるのが当たり前。その中で選ばれるには、高値と信頼の両方が必要です。
ただし、無闇に高値をつけているわけではありません。「この状態ならこの金額まで大丈夫」という判断は、これまでの多様な買取実績と、車種ごとの希少性や相場動向を踏まえた膨大なデータがあってこそ。旧車に特化し、10年以上経過した車だけを扱ってきた歴史が、ギリギリまで攻めつつもリスクを取る判断を可能にしています。攻めとリスク、その両方が常に背中合わせです。
声明についても触れておくと、前年に大手買取業者の不正が立て続けに起き、今年に入っても悪質なトラブルが続出しています。お客様の業界に対する不安が高まっていることを、現場でも肌で感じていました。
当社は2000年創業以来、希少車や旧車、事故現状車、不動車、カスタム車など多様なクルマを扱ってきました。何より大切にしてきたのは、お客様の思い出やご不安に寄り添った誠実な取引です。「二重査定を行わない」という姿勢も、その言葉が生まれる以前から当たり前の大前提としてきたため、今回の声明は、当社の在り方を改めて業界に示すものとなりました。
顧客の不安に応え、透明性の高い取引を実現する。業界全体がクリーンで健全な方向へと向かうこと。それが、当社が業界に示したい新たなスタンダードだと考えています。
車を買うのではなく、お客様の想いに寄り添う
旧車を愛するオーナーの中には、プロ顔負けの知識を持ち、自ら整備を行う人も少なくありません。長年大切に乗ってきた愛車には、数々の思い出が詰まっています。そんな車を手放す決断は、決して軽いものではないでしょう。
カレント自動車のバイヤーたちは、査定の際に何を大切にしているのか。トップバイヤーにまで上り詰めた清水氏にバイヤーにとって重要なことを聞きました。

清水:私がバイヤーとして大切にしてきたことは、大きく3つあります。1つは車が好きであること。2つ目はお客様の想いに寄り添うこと。そして3つ目はこの車を他社には任せたくないという想いです。
まず「車が好きであること」は、非常に重要だと思っています。そうでなければ、お客様と同じ目線で会話できません。旧車好きのお客様の中には、プロ顔負けの知識を持たれている方や、自分で整備できる方も多くいらっしゃいます。
車好きであれば、オーナー様との会話も自然と弾むんです。「この車はこうだった」とか「あの時こんなことがあった」とか、聞いてて楽しいし、その態度はお客様にも伝わります。
他にもオーナー様のこだわりをしっかり聞くことも大切にしていました。洗車の仕方や整備の履歴など、そういう一つひとつの積み重ねが車の状態を物語り、査定の精度を高め、さらにお客様との信頼関係を築くことにもつながります。
ただ、私も元々車好きではありましたが、車の知識を最初から持っていたわけではありません。エンジンの仕組みや年式の違いといった専門知識はなかったので、お客様のところに伺う前に必ず調べることを習慣にしていました。その積み重ねで、だいぶ知識が身についたと思います。
次に、「お客様の想いに寄り添うこと」。私は何としても買い取ってやろうという気持ちではなく、お客様が何を望んでいるか、何を相談したいかを考えながら話をしていました。「どういう風に売りたいですか」「どういう風に次の方に持って欲しいですか」。買うというより、お客様の願いを聞き、寄り添うことを意識していたんです。
それに、営業成績、数字はあまり意識していませんでした。人の思いを大事にしたいという自分の性格が、たまたまこの仕事に合っていたのかもしれません。前職の住宅営業の時からそうでしたが、お客様を優先してきた結果、後から数字がついてきた感じです。
そして3つ目、「この車を他社には任せたくない」という想いです。お客様が大切にしてこられた車を、他社の買取営業に任せてほしくない。私ほどに車を大事にする人はいないという自負を持ってやっていましたし、そういう気持ちは直接お客様にもお話ししていました。
印象に残っているエピソードがあります。ある商談で、複数の業者が一台の車を取り囲む現場に立ち会った時のことです。たまたま他社が来る前に1対1でお客様と話をすることができたので、私はその時間を使って、愛車とのエピソードを聞いたり、私がどれだけこの車を大切に思っているか、誰よりもこの車を大事にするという姿勢をお伝えしたりしていました。
その後、他社がワーッと集まって色々話している時のお客様の雰囲気が、先ほどの1対1の時と全く違うなと感じたんです。おそらくお客様は、他社が車をいじくりまわして「いつになったら売ってくれるんですか」と急かされるのを嫌がっているんじゃないかなという感じがしました。
その後、他社もいる中で結局私に売却を決めてくださったということがありました。そういう経験から、特に旧車であれば、その車に対する想いを大切にすることが非常に重要なんだと、より確信を持ちました。
その時のお客様からは、後日、手紙や写真をいただきました。気づかないうちに撮られていた、私が車を査定している姿を、カードに仕立てて送ってくれたんです。それは今、家に飾ってありますけど。嬉しいですね、そういうの。
もう一つ、印象深いエピソードがあります。奥様と長年乗ってきたスポーツカーを売却しようとされている男性の話です。奥様が足を悪くされて車に乗られなくなり、一人で乗るのも意味がないと考えた方でした。
売却相談で伺ったのですが、その現場では金額の話というよりは、今までどういう使い方をしてきて、どういう思い出があってというお話をお聞きしました。そして、本当に売却という選択肢が合っているのかという、そんな相談をいただきました。
結果、その場では決断はされなかったのですが、翌日「素直に話せたから、あなたに売りたい」というご連絡をいただいたのです。
本当に売っていいのか。思い出として残しておいた方がいいのではないか。自分だったら迷うだろうなと思うんです。そんな迷いに真摯に向き合うことこそが、バイヤーの役割だと感じています。
車好きと人への興味。旧車バイヤーに必要な資質
現在、清水氏はサブユニットリーダーとして、後進の育成にもあたっています。旧車という特殊な分野で、どのようにバイヤーを育てているのでしょうか。
清水:旧車の見極めは、新しい車と違って一台一台の状態が異なるため、マニュアル化が本当に難しいんです。
一人前になるまでも時間がかかります。ベテランでも見落としは起きるので完璧というのはありませんが、入社前に車に触れてきた方でも、1年ぐらいは任せられるようになるまで時間がかかると思います。
育成の鍵は、実物を見せることです。車のカスタムにも定番と「ちょっとこれは」というものがあるのですが、そうした感覚は言葉では伝えにくい。だから見せるしかないんです。経験を通じてしか身につかない感覚があります。
一方で、技術面以上に大切なのがマインドです。自分のために買って数字を上げるのではなく、お客様のために何ができるかを考える。ここは繰り返し伝えています。
時には「今は売り時ではない」とアドバイスすることもあります。ただ、車を売りたい理由は家庭の事情や個人の事情など様々ですから、相場だけでなく、トータルで考えてお客様の判断を後押しすることも大切だと思っています。
旧車バイヤーに向いている人は、まず車好きな人だと思います。当社の場合、本当にいろんな車種に触れる機会がありますから好きじゃないと大変でしょう。そして人に興味がある人です。なぜ売りたいのか、そういうところは人に興味があるからこそ聞けるんです。
採用についても、経験よりは人柄重視だと思っています。車への愛情と、人への興味。お客様の想いに寄り添う誠実さ。それが、当社が求めるバイヤー像です。
取材を終えて
清水氏の言葉で印象的だったのは、「他社にこの車を任せたくない」という想いでした。
顧客の愛車に対する想いを、自分のものとして受け止める。それは、単なる商売ではなく、車を愛する者同士の共感に基づく関係性です。清水氏が異例のスピードでトップバイヤーになれたのは、その姿勢が顧客に伝わったからにほかなりません。
旧車という難しい分野で、リスクを取りながらも二重査定を行わない。攻めた価格を提示しながらも、顧客の事情に寄り添う。カレント自動車の姿勢は、買取業界に新たなスタンダードを示しています。
古い車だからこそ、そこに宿る物語がある。その物語ごと受け止めてくれるバイヤーに、愛車を託したいと思いました。
※この記事は2025年12月時点の情報で制作しています

